忍者ブログ
GHファンフィクションサイト「白日夢ーまひるにみるゆめ」のblog。 更新記録、突発sssなど
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

暫く更新がなくてすみませんー。
ゴミ箱漁ってたらこんなのが出てきましたので。
はっきり言ってあほです。
しかしもう少し短くできなかったのか自分。
PR
「ねぇねぇ、ナル、これ読める?」
楽しげに告げられて、指さされた文字は、
『難波』
「──なんば、だろう。確か地名だったと思うが」
数年前、嫌になるほど日本の地図を見続けたお陰で、地名だけは辛うじて読める。
彼女の方も分かっていたようで、
「うん、今はね」
と、あっさり頷いた。
だがすぐに、
「でも、古来──昔の読み方は違ったんだって」
「そう」
大学の一般教養科目で古典でも取っているのか。
目では手元のジャーナルを追いながら、適当に相槌を打つ。
彼女は構わず続けた。
「そもそもの読み方は、『ナルニハ』って言うんだって」
メモ用紙に書かれた『難波』の文字の上に、カタカナでそう書く。
「でね、この、『ナル』って部分の意味だけど」
こちらを向いて、微笑んだ。
「──古代の朝鮮語で、『太陽』なんだって」
本当に、嬉しそうだった。
「…奇遇だな」
「そうだね。でも、なんとなーく嬉しいよ。ナル、の名前はニックネームなんだろうけどさ。
良いよね」
「ただの偶然だろう」
「そうだけどさー」

……楽しそうに漏れ聞こえる会話に、『ここは職場なんですが』という小言は出がけた吐息と共に飲み込んだ。

ここに、もう一人の事務職員が居れば、さっそくこの会話を録音するなりなんなりしたかもしれないが、自分にはそんな気力はない。
だが。
──『太陽』。
混迷を続けた心霊研究の学会にとって、彼の存在はまさしくそれに当てはまるだろうが。
その彼を、現在照らしている存在は。

きっと、その傍らにいる彼女だろう。
開き掛けた扉を音を立てずに閉め、リンは静かな笑みを漏らした。
≪前のページ  | HOME |
[1]  [2]  [3
Let's Enjoy!
こんなん作ってみたので、遊んで下さい
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[07/20 aire]
[09/13 めぐ姉さん]
[08/19 かなえ]
[08/04 HIROKO]
[04/16 青海]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
Rook
性別:
非公開
職業:
かいしゃいん
趣味:
くうねるあそぶ
自己紹介:
更新は遅いです。
でもぼちぼちやっていきますのでよろしくお願いします。
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]