GHファンフィクションサイト「白日夢ーまひるにみるゆめ」のblog。
更新記録、突発sssなど
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ネタバレ無し超久しぶりSSS。
今年初めてでしたね…。
長いので、続きからどうぞ。
今年初めてでしたね…。
長いので、続きからどうぞ。
桜(はな)咲く季節に、あなたと出会い。
「ん〜…」
穏やかな、春の午後。
麻衣は背伸びして、頭上に咲く桜を仰ぎ見た。
柔らかな風に、咲き始めた花は早くもその花びらを散らせている。
ここは高校の校庭。卒業式は終わったが、出席日数を補うため、今週はバイトには出ず、ずっと補講に出席していた。
それも、今日で終わった。
(綺麗)
母は桜が好きだった。毎年、母と二人で花見に行くのが楽しみだった。
(お母さん。見えるかな?綺麗だよ)
ここ数年は、みんなと一緒に過ごしていたから、一人で花見をするのは久しぶりで。
本当は、今年もみんなと一緒に花見の予定だったが、温暖化の影響なのか予想以上に早く咲いてしまったので、都合が合わなくなってしまったのだ。
(寂しいけど、辛いわけじゃない)
ただ、今は一人で見ていたかった。
(そういえば)
あの時も、一人で桜を観たくて。
入学してすぐの頃、一人、早めに登校して。
「何を呆けている」
「!」
驚いた。本当に心臓が止まるかと思う位に。
声の方へ振り向くと、校門を出た所に、腕を組んで偉そうに立っている上司がいた。
「び、びっくりした…驚かさないでよ」
「ずーっと惚けていたからだろう」
いつもの会話を交わしながら、麻衣はその場で立ち尽くした。ナルもまた、動かない。
「何してる」
「ん。お花見ー。ナルこそどうしたの?」
ナルは軽く息を吐き出して、麻衣へ歩み寄った。麻衣はそう言ったきり、再び桜に見入ってしまう。
「綺麗だよ。ナルも一緒にお花見する?」
「仕事がある。麻衣ももう補講は終わりだろう」
「あ、うん…」
麻衣はナルへ振り返り、不思議そうに尋ねた。
「あの、もしかして迎えに来てくれた?」
「そう見えないか」
ナルは眉を顰める。
「わ。びっくり…あ、ええとありがとう?でもまだ時間早いよね?」
今日からバイトに出勤する予定だが、夕方からの筈だったのに。
「安原さんが急用で来れなくなった」
「あ、そうなの?」
「リンも出かけるそうだが、先に昼食ついでにお前を迎えに行くように言われた」
歩きだすナルに、漸く麻衣もその背中を追って歩き出した。
「へー…あ、でももう1時過ぎてるね?あたしまだご飯食べてないんだけど、途中で買っても良い?」
そう問い掛けると、
「僕もまだだ」
ナルは振り返る。
「今日で補講終わりだろ?記念にご馳走してやる」
そう言って、麻衣に手を差し伸べる。
「わ、いいの?うれしー、ありがとうナル!」
麻衣はナルの腕に抱きつく。それを振り解くことなくナルは歩みをすすめる。ナルの腕に懐いたまま、麻衣は楽しげに喋り続ける。
「わー、明日は雪降るかな?そしたら桜と雪で素敵だねー」
「…北ならともかく、それはないだろう」
あくまで真面目に返すナルに、声を立てて麻衣は笑った。
「だって、ナルがご飯ご馳走してくれるなんて珍しいじゃん。お天道様もびっくりしちゃうよ」
「…どういう意味だ」
流石に機嫌を悪くしたようだ。
「あ、軽い日本のジョークですって。すみません所長」
「一人で先に事務所に行って、仕事するか?」
「わーっ、だからすみませんごめんなさいぃ」
本気で焦り始めた麻衣に、返事の代わりのようににナルは彼女の頭をかき撫ぜた。
麻衣は一瞬、不思議そうにしたが、すぐに微笑む。
「ナル、覚えてる?みんなと逢った時も、桜が咲いてたよね。もう少し先だけど」
「そうかもな」
覚えているのかいないのか、どちらとも取れる反応。
それでも麻衣は嬉しそうに笑った。
ナルサイドは近日に?
「ん〜…」
穏やかな、春の午後。
麻衣は背伸びして、頭上に咲く桜を仰ぎ見た。
柔らかな風に、咲き始めた花は早くもその花びらを散らせている。
ここは高校の校庭。卒業式は終わったが、出席日数を補うため、今週はバイトには出ず、ずっと補講に出席していた。
それも、今日で終わった。
(綺麗)
母は桜が好きだった。毎年、母と二人で花見に行くのが楽しみだった。
(お母さん。見えるかな?綺麗だよ)
ここ数年は、みんなと一緒に過ごしていたから、一人で花見をするのは久しぶりで。
本当は、今年もみんなと一緒に花見の予定だったが、温暖化の影響なのか予想以上に早く咲いてしまったので、都合が合わなくなってしまったのだ。
(寂しいけど、辛いわけじゃない)
ただ、今は一人で見ていたかった。
(そういえば)
あの時も、一人で桜を観たくて。
入学してすぐの頃、一人、早めに登校して。
「何を呆けている」
「!」
驚いた。本当に心臓が止まるかと思う位に。
声の方へ振り向くと、校門を出た所に、腕を組んで偉そうに立っている上司がいた。
「び、びっくりした…驚かさないでよ」
「ずーっと惚けていたからだろう」
いつもの会話を交わしながら、麻衣はその場で立ち尽くした。ナルもまた、動かない。
「何してる」
「ん。お花見ー。ナルこそどうしたの?」
ナルは軽く息を吐き出して、麻衣へ歩み寄った。麻衣はそう言ったきり、再び桜に見入ってしまう。
「綺麗だよ。ナルも一緒にお花見する?」
「仕事がある。麻衣ももう補講は終わりだろう」
「あ、うん…」
麻衣はナルへ振り返り、不思議そうに尋ねた。
「あの、もしかして迎えに来てくれた?」
「そう見えないか」
ナルは眉を顰める。
「わ。びっくり…あ、ええとありがとう?でもまだ時間早いよね?」
今日からバイトに出勤する予定だが、夕方からの筈だったのに。
「安原さんが急用で来れなくなった」
「あ、そうなの?」
「リンも出かけるそうだが、先に昼食ついでにお前を迎えに行くように言われた」
歩きだすナルに、漸く麻衣もその背中を追って歩き出した。
「へー…あ、でももう1時過ぎてるね?あたしまだご飯食べてないんだけど、途中で買っても良い?」
そう問い掛けると、
「僕もまだだ」
ナルは振り返る。
「今日で補講終わりだろ?記念にご馳走してやる」
そう言って、麻衣に手を差し伸べる。
「わ、いいの?うれしー、ありがとうナル!」
麻衣はナルの腕に抱きつく。それを振り解くことなくナルは歩みをすすめる。ナルの腕に懐いたまま、麻衣は楽しげに喋り続ける。
「わー、明日は雪降るかな?そしたら桜と雪で素敵だねー」
「…北ならともかく、それはないだろう」
あくまで真面目に返すナルに、声を立てて麻衣は笑った。
「だって、ナルがご飯ご馳走してくれるなんて珍しいじゃん。お天道様もびっくりしちゃうよ」
「…どういう意味だ」
流石に機嫌を悪くしたようだ。
「あ、軽い日本のジョークですって。すみません所長」
「一人で先に事務所に行って、仕事するか?」
「わーっ、だからすみませんごめんなさいぃ」
本気で焦り始めた麻衣に、返事の代わりのようににナルは彼女の頭をかき撫ぜた。
麻衣は一瞬、不思議そうにしたが、すぐに微笑む。
「ナル、覚えてる?みんなと逢った時も、桜が咲いてたよね。もう少し先だけど」
「そうかもな」
覚えているのかいないのか、どちらとも取れる反応。
それでも麻衣は嬉しそうに笑った。
ナルサイドは近日に?
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